10.占筮法
本筮法・中筮法・略筮法
易占いは五十本の竹を削った筮竹を使って占います。本筮法・中筮法・略筮法の3種があります。本筮法を簡略化したものが、中筮法・略筮法です。現代ではほとんどは中筮法か、略筮法によって占います。 50という数字には意味があって、1から10までの数字を奇数は陽で天とし、偶数は陰で地とします。天の数を足すと25、地の数を足すと30、その合計は 55、そこから五行の5を引いて50本としたわけです。
本筮法
- 五十本の筮竹は、片方が少し細くなっていて、その細い方を左手に握ります。その中から一本を抜き取ります。
この一本は筮筒に立てて、太極として使用しません。 - 次に握った49本を扇形に少しひろげて、その中ほどあたりから、右手でパッと分けます。
※このときに二つの言葉「至誠通天」「至誠無息」を頭に入れておいてください。
「至誠天に通ず」は、真心を込めて筮を立てれば、必ず天に通じ、易神が正しい卦を立ててくださるということを信じる。これがまず、絶対に必要な精神です。 「至誠息するなし」筮竹をさばくとき、占うべき事柄をじっと心に念じ、そのことをこの額のところ、つまり前頭葉に集中し、軽く目を閉じます。そうしてすうっと息を吐いて、すっかり空っぽにします。そして、もうこれ以上は、と吐き尽くした瞬間、パッと分けます。 - 二つに分けたら、右手の方の筮竹は机の上に置き、そこから一本取って、左手の小指と薬指の間に挟みます。
左手に握っているのが天策、1本挟んだのが人策、机にあるのが地策です。これで天地人の三才が象られます。 - 次に天策を四本ずつ数えてゆき、余った策(割りきれる場合は四本を余りとする)を薬指と中指の間にはさみます。次に机上に置いてあった地策をとりあげ、同じように四本ずつ数えて、余りを中指と人さし指の間にはさみます(第三、四営)。
- 指にはさんだ策数を合計すると、それは必ず5か9となります。これを第一変といいます。
- この5本または9本を除いて、44本~40本の筮竹で、第一変と同じように2~4を繰り返すと、こんどは指にはさむ策数は必ず4か8となります。これが第二変です。
- さらにこれを除いて、もう一度繰り返すと指にはさむ策数は、こんども必ず4か8となります。(第三変)
- 三変まで行なうと、指にはさんで除いていった策数の合計は、必ず25、21、17、13のいずれかとなり、除かれずに残った策数は24、28、32、36(4の6倍、7倍、8倍、9倍)となります。6は老陰、7は少陽、8は少陰、9は老陽とします。24本、32本残った場合は陰、28本、36本残った場合は陽として、一つの卦の六爻のはじめの初爻が決まります。
- あとは同じことを繰り返して、下から順に二爻~上爻と定めてゆきます。一爻を定めるために三変、六爻を定めるためには十八変を必要とするので、十八変筮ともいわれています。
中筮法
本筮法は十八変でした。中筮法は六変で卦を出す筮法です。
1.本筮法1~3までの手順と同じです。
2.地策はそのままにして左手の天策を2本ずつ4回で、八本払います。
3.その余り(割り切れる場合は0本)に、小指にはさんだ一本を加えた数で、老陽、老陰、少陽、少陰(右表参照)を定めます。これを6回行って、初爻から上爻へ、順番に六爻が定まります。これを六変筮法ともいいます。
略筮法
中筮法では一変で一爻を定めますが、略筮法では三変で八卦(小成卦)を定めます。
- 中筮法とまったく同じ操作で余りの数を出し、右表にしたがって下卦を定めます。
- 2本残ったとすれば、下卦は「兌」です。これをもう一度繰り返して上卦を定めます。 こうして、陽―と陰–の六つの組み合わせによる、ひとつの卦ができたわけです。
- 次にそれから該当する爻を見るために、太極、天策、地策、人策まではこれまでと同様ですが、今度は天策を2本ずつ3回の六本払いをして、こんどは左手の天策を六本ずつ数え てゆき、その余りに人策を加えた数が爻を示します。たとえば、5本であったとすれば、五爻が該当の爻です。