★10月30日の一日一言~『易経一日一言』(致知出版社)より
☆兆しを察する
易経は「時」を説き、「兆し」について言及している書物である。
「春の萌し」といえば、ふきのとうが顔を出したというような現象をいうが、
ここでいう「兆し」は、まだ現象化されていない目に見えない潜象、
つまり物事に潜み隠れているわずかな変化の起こりをいう。
冬至は一年で一番日が短く、この日を境に日は伸びていく。
冬至は春が兆す日である。
しかし、冬本番の時機は、冬至を過ぎた後にやってくる。
兆しを察知するとは、いわば物事にとっての冬至を知ることといっていいが、
これを現象から読み取ることは、ほとんど不可能に近い。
では兆しはどうやって察するのか。
それは修養を究め、直観、直知するのである。
易経は、春夏秋冬の巡りを基として、
時の変化の原理原則、栄枯盛衰の法則を説いている。
これを実践して学ぶことで、
物事の全体の成り行きである大局を見通す力がつく。
やがて時の本質を見抜く洞察力が養われ、
さらにわずかな兆しで先行きを察する直観力に発展するのである。
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