★7月31日の一日一言~『易経一日一言』(致知出版社)より
☆洞察力を養う☆
洞察とは物事の裏にある本流を見抜くと。
また、外側に現れない人の心、内面の動きを読むことも洞察である。
洞察力を説く風地観(ふうちかん)の卦(か)には、
洞察に至る段階が次のように記されている。
第一「童観(どうかん)す」――幼い子供の目。
何が起きているかという現象だけを観る。
第二「窺(うかが)い観る」――人の見解を聞いて物事を窺い知る。
広く世間を知らず、小さな視野で物事を観る。
第三「我が生を観る」――主観的に観る。
自分を省みて、出処進退の行動を判断するが、
まだ客観視(きゃっかんし)には至らない。
第四「国の光を観る」――物事を客観視できる段階。
国民のささいな表情やしぐさから、その国のリーダーのあり方、
国全体の情勢を察する。
表面にとらわれず物事の質を観る段階である。
第五「民を観て我が生を観る」――起こっている物事を写し鏡のように観、
物事全体を正しく導くために何をすべきかを知る。
要するに、現象だけを観る、人の話から物事を窺い観る、
自己中心的に物事を観る段階では洞察には及ばない。
深い洞察のためにはまず、全体を広く客観視する
大局観(たいきょくかん)を養わなくてはならないのである。
『易経一日一言』(致知出版社)