~帝王学の書~7月12日の『易経一日一言』(致知出版社)
☆蒙を啓く☆
我より童蒙(どうもう)に求むるにあらず。
童蒙(どうもう)より我に求む。
(山水蒙)
「山水蒙(さんすいもう)」は啓蒙、教育の基本姿勢を説いている卦(か)。
「我」とは教える側、師の立場。
「童蒙(どうもう)」は幼く蒙昧(もうまい)な者、学ぶ側にあたる。
啓蒙は、師の方から「教えるから学んでくれ」というのではなく、
学ぶ側から「知りたい、学びたい」と教えを求めることから始まる。
知的欲求がなければ、いくら教えても吸収しないが、
知識に乾いたときは、熱心に多くを吸収する。
学ぶ側の一心の求めに対して、師も一心に応えることで
さらに内容が深まり、相乗効果が働いて、一層充実してくる。
学びたい、知りたいと求める時に、蒙は初めて啓けるのである。
『易経一日一言』(致知出版社)