未熟さを知る~帝王学の書~12月30日の『易経一日一言

作成日:2011年12月31日

 

 ~帝王学の書~12月30日の『易経一日一言』(致知出版社)
☆未熟さを知る☆
未済(びせい)は、亨(とお)る。
小狐(こぎつね)ほとんど済(わた)らんとして、その尾を濡らす。
利(よ)ろしきところなし。
                (火水未済)

火水未済(かすいびせい)の「未済(びせい)」とは、
未だ川を渡り終えていないということ。
つまり未だ何も成していない、未完成、未熟な時を説く。
 
そんな未熟さを小狐(こぎつね)が川を渡ることに喩えている。
狐はふさふさとした大きい尾を持っているが、
水を含むとずっしりと重くなって泳ぐには負担がかかる。
 
成長した狐は尾を高く上げて川を渡る知恵があるが、
小狐は岸までもう少しという所で尾を濡らし、渡り切れない。
 
未熟者は蛮勇をふるって事に臨むが、
九分通りまで行ったところであと一歩が成せない。
 
小狐(こぎつね)が失敗するのは、
知恵や技術の以前に自分の未熟さを認識できないからである。
「未済は亨る」とは、未完成が完成に至ること。
これではだめだと未熟さが身に染みた時から、
完成への道が開けるのである。
 
どんなに人生の経験を積んでも、
自分の未熟さに気づくことは新たな希望でもある。

 

 

 

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『易経一日一言』(致知出版社)
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