東京出張のため、今日6月4日~7日の4日分の易経一日一言です。
~帝王学の書~6月4日の『易経一日一言』(致知出版社)
☆万物資(と)りて生ず☆
至れるかな坤元(こんげん)、万物資(と)りて生ず。
(坤為地)
「坤」は天地の「地」、陰陽では「陰」を表す。
「天の気」である太陽の光、雨が地上の至るところに降り注ぎ、
大地はそれを受け取って形あるありとあらゆるもの、万物を育成する。
陰の徳は限りない受容と包容力である。
順(したが)い、受容して育成する、
女性、母、妻、臣下の徳は陰徳である。
ちなみに化粧品メーカーの資生堂は、
この「資りて生ず」から社名をとっている。
~帝王学の書~6月5日の『易経一日一言』(致知出版社)
☆心の鏡を磨く☆
みずから明徳を昭(あき)らかにす。
(火地晋)
太陽が自ら地の上に昇っていくように、自ら、明徳を明らかにする。
「みずから」とあるのは、自分の心を明るく保つのは自分自身であって、
人に頼ることではないという意味。
明徳は私欲に囚われていると曇ってしまう。
だから、自分の心の鏡が曇らないように、
日々、自分で意識して磨かなければならないのである。
火地晋(かちしん)の卦(か)は、太陽が昇るように前進して、
明徳が明らかになっていく時を説く。
~帝王学の書~6月6日の『易経一日一言』(致知出版社)
☆幽明の故(こと)を知る☆
仰いでもって天文を観(み)、俯(ふ)してもって地理を察す。
この故(ゆえ)に幽明の故(こと)を知る。
(?辞上伝)
「幽明」の「幽」は形なく眼に見えないもの。
「明」は形あって眼に見えるもの。
たとえば、身体は明、精神は幽であり、
現在は明、過去と未来は幽である。
天の巡りを仰ぎ観て、伏して地上の理(ことわり)を観察するとは、
物事の情態を真っ直ぐに観て、その真相を知るならば、
必ず裏の眼に見えない情態も見えてくるということである。
~帝王学の書~6月7日の『易経一日一言』(致知出版社)
☆危うき者☆
危うき者は、その位に安んずる者なり。
亡ぶる者はその存を保つ者なり。
乱るる者はその治を保つ者なり。
(繋辞下伝)
盤石(ばんじゃく)と安心しきっていると地位が危うくなる。
いつまでも存続すると思っていると亡ぶ。
よく治まっていると気を抜けば乱れていく。
時は常に変化して状況は変わる。
盤石の安泰などあり得ない。
壊乱の兆しは必ず油断する安定期に生ずる。
自戒警戒して対処に備えるべきである。
『易経一日一言』(致知出版社)
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