人間万事塞翁が馬/包(つつみ)に魚(うお)あり~帝王学の書~6月27日の易経一日一言

作成日:2013年6月27日

~帝王学の書~6月27日の『易経一日一言』(致知出版社)
☆包(つつみ)に魚(うお)あり☆
包(つつみ)に魚(うお)あり。
咎(とが)なし。
         (天風こう)

天風こう(てんぷうこう)の卦(か)は、
勢いが盛んな時にも陰が忍び寄ることを説き、
禍の要因への対処法を教える。
たとえば、事業が好調な時は、「好事、魔多し」で、
うまい儲け話に乗って失敗しやすい。
こういう時ほど、慎重に判断し、的確に対処すべきであるとする。
「魚」は禍の要因となる陰を表す。
うまい話を受け容れたとしても、包むようにして、それ以上、大きく広げない。
つまり、外に影響を及ぼさない程度につきあう。
そうであれば咎(とが)めは受けないといっている。
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『易経一日一言』(致知出版社)
一日一言
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「人間(じんかん)万事塞翁(さいおう)が馬」
よく訊かれる質問がある。
運が強い人と弱い人は、どこでその差が生じるのかと。
 
そんな時は「人間(じんかん)万事塞翁(さいおう)が馬」
という中国の故事を話すようにしている。
 
占いの得意な翁(おきな=お年寄りのこと)が、
国境の塞(とりで)の近くに住んでいた。
ある日、翁の馬が逃げ出してしまった。
周りの人々が「運が悪かったですね」と、
なぐさめると翁は
「いや、このことが却って、
 福(さいわい)になるかもしれない」と言った。
 
数ヶ月後、逃げた馬がもどってきた。
さらに、別の名馬も一緒に連れて帰ってきた。
周りの人々が「幸運ですね」と、
お祝いにいくと翁は
「いや、このことが却って、
 禍(わざわ)いになるかもしれない」と言った。
 
そしてある日、翁の息子がその名馬から落馬して、
股(もも)を骨折する重傷を負った。
周りの人々が
「運が悪かったですね」と、
お見舞いにいくと翁は
「いや、このことが、福となるかもしれない」と言った。
 
1年後に戦争が起きたが、
村の若者の10人のうち9人までもが死んでしまった。
ところが、息子は落馬の事故のため、
兵役に出ず無事だった。
 
人生では、禍いがいつ福のもとになるか分らず、
また福がいつ禍いのもとになるかもしれない。
吉凶禍福の変転は計り知れず、禍いも悲しむことなく、
福も喜ぶにたりないことを教えている。
 
世の多くの人たちは、
うまくいっているとツイている、
何か食い違いが生じるとツイていないと
言っては一喜一憂する。
ツイていると感じたら
「自分は運が強いんだ」と思い込む。
思い込むと次の幸運、つまりツキを期待する。
手違いがあると、自分のミスでなく、
ツイてなかったせいにする。
 
「思いがけない幸運」のことを
僥倖(ぎょうこう)というのだが、
この僥倖に期待するようになると、最悪である。
なにしろ努力しないで
出世する方法みたいなものだから、ただ待つだけ。
待ちぼうけである。
待っていてもツキが回ってこないと
「自分は運に恵まれないんだ」と
気落ちすることになる。
 
ツイていなければ
「これは、天からの何かの信号だ」と
考えるようにしよう。
自分の頭で考えて、
進むべきか退くべきかを決めるようにしよう。
そうすれば、ツイてなかったことまでが、
次のツキを呼ぶ種になるに違いない。
 
そのときは運が悪いと思っても、
いつかその苦労が役に立つ。
 
何の問題も抱えずに若い時期を通り過ぎてしまうのと、
いろんな苦労はしても、
人生を生き抜いていくコツを掴むのとは、
どっちが運が強いのか。
もちろん、後者である。
 
若さとは、不安と同義でもあるが、
不安になったら、身をかがめればいい。
 
尺取り虫が、体を伸ばした後、
グッと縮めて次に体を伸ばして前進する。
のばすための縮み。
伸縮は、この二つの言葉が重なって成立している。
 
この尺取り虫の話は、わたしの創作ではない。
『易経』に、ちゃんと書かれている。
 
「尺蠖(せきわく)の屈するは、
 もって信(の)びんことを求むるなり」
尺蠖とは尺取り虫の意である。
尺取り虫が身を屈めるのは、
身を屈めて力を蓄え、次に伸びるためである。
 
運のいい、悪いと、この尺取り虫の話は、
ピタリと符合するのである。
        ☆
超訳・易経 カバーS
超訳・易経 自分らしく生きるためのヒント』
  本体価格861円(税込み)(角川SSC新書)
三省堂書店名古屋高島屋店の、新書・ビジネス書2部門において、
平成24年5月27日、ベストセラー1位に!
★7月
1日ー東京へ
2日ー易経東京セミナー「超ブレイク塾」第6期応用編3回目
3日ー易経東京セミナー「超ブレイク塾」第12期入門編3回目、終業後は名古屋へ
5日ー台本塾1日目
10日ーNHK文化センター「易経」講座
12日ー会食
16日ー午後はSAM例会、夜は会食
18日ー台本塾2日目
19日ー台本塾3日目
24日ーNHK文化センター「易経」講座
25日ー名古屋で講演、夜は東京へ移動
26日ー致知出版社主催『易経講座(全5回)』第1講
31日ーNHK文化センター「易経」講座
※私の講演は、企業や官庁の講演がほとんどなので、
 関係者以外の方の入場は出来ないことが多いです。
※超ブレイク塾・NHK文化センター
 東洋文化振興会・長良川大学 生涯学習(岐阜) 等の主催は
 どなたでもご参加いただけます。

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