4.仙人、今度は「無銭飲食の術」~少女時代の思い出「仙人」シリーズ
※これだけは掲載するのを迷ったけど…UPしちゃいます!
少女時代の思い出「仙人」
無賃乗車と同じ方法で堂々と…
(昔我が家に仙人がいた~少女時代の思い出「仙人」~
好評だったのでもう少し詳しい内容で書いています)
ある時、私たちは東京で食事をすることになった。
父と私と、ほかにも何人かが同席したと記憶している。
しかし、その顔ぶれがだれであったか、確かな記憶はない。
そんな記憶など、吹っ飛んでしまうほど、
私の頭の中はぶっ飛んでいたからだ。
「今日は、もう一つすごく面白い術を見せてあげよう」
突然そう言いだした。
「0(ゼロ)ちゃん、今日の術はなあに?」
0(ゼロ)ちゃんというのは、仙人のニックネームである。
私にだって、こういう愛くるしい言葉遣いが
似合う時代があったということを、
声を大にして言いたい。それはともかく…。
「無銭飲食の術」と仙人は平然と言う。
無銭飲食は現実に犯罪なので、こういうことは本来、
書いてはいけないかもしれないが、
不謹慎だと叱られるのを覚悟して書かせていただく。
仙人は私たちとは離れた席で1人座った。
普通と同じだ。
料理と飲み物を注文して、
出てきた料理を美味しくいただく。
私たちは仙人とは別のグループとして、
仙人のことなど無視して食事を楽しんだ。
さて、帰り際だ。
無銭飲食とは、飲み食いして、
その代金を払わないことをいう。
仙人は脱兎(だっと)のごとく逃げ出したのか。
いや、違う。
それなら、単なる食い逃げである。
勘の鋭い方ならお分かりのことと思うが、
既に書いた、あの電車での
無賃乗車の術と全く同じである。
お金を支払うことなく、
仙人は堂々と店を出ていく。
たったそれだけである。
店の者はだれもそれをとがめない…。
何も言わない。
(続く)
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大好きな平野遼の珠玉の逸品、水彩『歩く人』
平成15年(2003年)に運命ともいうべき出逢いがあり、手に入れました。
我が家の玄関にいてくれる~❤