【潜龍の志は春の兆し】
易経は、潜龍の志は春の兆しのようなもので、
まだ微弱な陽気だと教えています。
第三章で話した陰と陽の話、そして兆しの話を思い出してください。
龍は「陽」で、陽の力を養っていくと話しました。
しかし、潜龍の段階ではまだ陽の力は弱く、
おもてに発揮できるだけの力はありません。
また春の兆しが生じるのは冬至だと話しましたが、
冬至で春の兆しが発せられたとはいえ、
それから冬本番の寒さがやってくるのですから、
私たちには「春が来た」とは感じることはできませんね。
ですから潜龍は、まわりから見たら、
飛龍になるような将来性はまったく感じられないのです。
志を抱いた潜龍が見龍となって地上に現われる春はまだ遠く、
潜龍はつらい下積みの冬を過ごさないといけません。
ただ、こうした厳しい環境に身を置くことは大切です。
なぜなら、霜に当たった冬野菜が甘く美味しくなるように、
厳しさが内面を充実させていくからです。
現象に対して、潜龍の「潜」をあらわす
潜象(せんしょう)という言葉があります。
私は、以前、カタカムナ文明でも有名な
物理学者の楢崎皐月(ならさきこうげつ)氏に
どうしても会いたいと連絡をとり、たずねていきました。
その時、楢崎氏がいわれたことは、
「潜象は現象に前駆する」です。
このひと言で、私は
易経が教えている兆しというものが一瞬で腑に落ちたのです。
潜象は目に見えないところで、
かならず現象に先立って前駆していきます。
真冬には芽は出てきません。
けれども、目に見えない地の奥深くでは種が育ち、
春が近付いてくると必ず芽が震え動きながら伸びてきます。
芽は確実に伸びていきますが、その伸び方は
どれだけ伸びたかはわからないくらいゆっくりです。
これと同じように、潜龍の時に打ち立てた志も、
ゆっくりと確実に育っていきます。
そして次第に、「こうなりたい」ではなく
「なる」という決意、覚悟に変わっていくのです。
『リーダーの易経 第四章』より
『リーダーの易経 「兆し」を察知する力をきたえる』
(角川SSC新書)¥864
中日新聞夕刊7/24のランキング
三省堂書店 名古屋高島屋店 & 星野書店近鉄パッセ店
共に1位! 感謝です!
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三省堂品川駅南店
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7月18日の朝日新聞・全国版に掲載されました。
紀伊國屋書店新宿本店・新書部門1位(7/14)
星野書店近鉄パッセ店・新書部門1位(7/6~12)
三省堂書店 名古屋高島屋店・総合1位(7/10~16)
感謝です!
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『リーダーの易経』が角川SSC新書のベストセラーランキングで1位、一番ほしい物リストで1位! なんと、一番ギフトとして贈られている商品で1位は『超訳・易経』でした!
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丸善丸の内本店で、新書ランキング5位!(7/14~23)
三省堂書店名古屋高島屋店で平積み!
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全国の三省堂、紀伊國屋、丸善ほか、大型書店にあります。