【ドラッカーのいう真摯さとは何か】
「君子終日乾乾(けんけん)、夕べにてき若(じゃく)たり、
あやうけれども咎(とが)なしとは、何のいいぞや。
子曰く、君子は徳に進み業(ぎょう)を修む。
忠信(ちゅうしん)は徳に進むゆえんなり。」
竹村 意訳:
朝から晩まで積極果敢に進み、夜は恐れるほどに反省する。
そうであるなら、危うい時でも咎めはないとありますが、
どういうことでしょうか。
君子を目指す者は、仕事の質の向上のために邁進(まいしん)し、
日々の業務を修めなさい。
質の向上を目指すということは、
自分をごまかさず、人をあざむかず、
経験と信頼を積むことである。
業務の責任を担って取り組めば、
その言葉にはおのずと誠心があらわれ、人に伝わるのである。
「君子は徳に進み業を修む」とあります。
これは、日々、仕事の質の向上に努め、
業を修めることだと教えています。
その時与えられた仕事に最善を尽くすことで、人は育ちます。
失敗や問題をそのままにしたら、業を修めたことにはなりません。
問題をおろそかにせず、対処工夫することが、
すなわち徳に進むこと、質の向上につながります。
乾てきの段階は、毎日毎日が同じことの繰り返しですから、
仕事への昂揚感や充実感、感動といった
モチベーションがないとマンネリに陥ってしまいます。
そこで「忠信は徳に進む所以(ゆえん)なり」です。
「忠」は、自分に対して嘘をつかないこと、
「信」は人に対して嘘をつかないことです。
これは嘘つきの嘘ではなく、
問題に目をつぶらないということです。
経営学者ピーター・F・ドラッカーは、
著書『マネジメント』の中で、
リーダーの条件は真摯さ(Integrity)であると語っています。
たとえば、「真摯さに欠けるものは組織を破壊する」
「(必要なものは)才能ではなく、真摯さである」
「真摯さを絶対視してはじめてまともな組織といえる」
などがあります。
この真摯さこそが、易経でいう「忠信」です。
乾てきの段階はリーダーの資質を完成させる時です。
その最も重要なものが、つねに志に忠実であり、
人に信頼される仕事をすることです。
いくら仕事ができても、これに欠けるものは
リーダーの器ではないといっているのです。
仕事に真摯に取り組めばこそ、一日の終わりに
「これでよかったのか」と本気で恐れるほどに悩み、
心配するのです。
そうであったらならマンネリ化はしません。
逆に問題に目をつぶるということは、たとえば、
クレームに対して「大したことではない」と、処理を怠る、
あるいは、他人の失敗だから自分は関係ないと、
見て見ぬふりをするようなことです。
もし、リーダーが真摯に失敗やクレームに学んでいたなら、
会社の不祥事を「うちは関係ない」と、
下請け業者のせいにしたりしないでしょう。
易経のいうところのマネジメントとは、
必死になって苦労して工夫を凝らし、目的を達成することです。
ですから、これができない経営者は
経営をしていないことになります。
乾てきの段階は、やり過ぎの時ですから、
経営者になったつもりで考えて工夫しなければいけません。
こういう中堅社員がいたら、その会社は伸びます。
自分では気付けない問題やミスを
知らせてきてくれるクレームはむしろありがたいものです。
苦労して工夫してクレームをなくし、
人を喜ばせることができると、
仕事をすることはこんなにも面白いものかと思えてくるはずです。
すると、もっといい方法はないか、
もっとお客様に喜ばれるサービスはないか、と
質を磨き高めようとします。
そのエンジンとなるのが「忠信」です。
『リーダーの易経 第五章』より
『リーダーの易経 「兆し」を察知する力をきたえる』
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☆
【惜福の工夫と玄米食】
父が玄米食運動家だった関係で
私の幼少時代に、わが家では
毎日のご飯が白米から玄米に変わりました。
体が弱く、すぐに風邪をひく体質だった私が、
半年で風邪をひかなくなりました。
結核で幾度か血を吐き、医者から匙を投げられていた父が完治しました。
高血圧だった母は、血圧が安定して元気になりました。
玄米食になってからのわが家は、病院と無縁になりました。
私も二木謙三先生や千島喜久男先生をはじめ、
多くの食養指導者の方とお会いし、知識も多少増えたおかげで、
その後も玄米食を続けています。
四十年以上前、ちょうど易経と出合った頃に、断食と出合いました。
それ以来、毎年恒例として一週間の断食を続けています。
しばらくは各地の断食道場でお世話になりましたが、
二十五年ほど前からは自宅で断食をしています。
私にとっての断食は修行でなく、
ふだんの暴飲暴食に対する罪滅ぼしであり、
陰を生じさせること、そして「惜福の工夫」なのです。
「惜福の工夫」とは、
易経を座右の書としていた幸田露伴が
『努力論』のなかで薦めているもので、
幸いをあとに残しておいたり、人に分け与えたりして、
わざと不足の部分を作り出すことです。
易経的な考えでは、いつもいつも得するほうを選択しないこと、
時に損をしてあえて満ち足りないようにすることです。
損とは譲るということでもありますが、これは見返りなく譲るということです。
これぞまさしく陰の力、陰徳なのです。
玄米食や自然食ももちろん、惜福の工夫になりますが、
断食は陰をより強く生じさせる方法でした。
それを気づかせてくれた本が、『断食療法の科学』(甲田光雄・春秋社)です。
断食は、健康管理としてだけでなく、
易経の理解を深めるのにも大変役に立ったと思っています。
『超訳 易経』より
『超訳・易経 自分らしく生きるためのヒント』
(角川SSC新書) 増刷(3刷)感謝!
☆
☆NHK文化センター名古屋教室「易経」講座
※広い教室に。キャンセル待ちが一挙解消も束の間、満席に。
残席枠を4席、新たに設けてもらいました。
キャンセル待ちのお申込みは出来ます。
※易経全文を10年かけて読み込んでいます(1997年10月より)
※途中受講できます。
☆超ブレイク塾主催:東京渋谷にて
『90分でわかる!リーダーの易経「超」入門編』
11月5日(水)18:30~
http://www.school-superbreak.com/ekikyo_2hr/
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平成26年の
一般の方も参加可能な「易経」講演会のお知らせ。
※どなたでもご参加いただけます
☆講演やセミナーで私が主催するものは一つもありません。
それぞれ主催者がいらっしゃいます。
申込みが不要のものもあります。
※ほとんどの私の講演は、企業や官庁関係の主催のため
一般の方はお聴きいただけません。
下記は、一般の方もご参加いただけます。
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☆仙台で講演&懇親会
平成26年11月1日(土)
講演会 :17:00~
懇親会 :18:00~20:00
タイトル:『龍が教える帝王学~中国古典「易経」』
会 場 :TKPガーデンシティ仙台
仙台市青葉区中央1-3-1 AER30F
定 員 :150名(要予約)
参加費 :12,000円(講演会・懇親会込)
企画・運営:株式会社パステル
022-217-2733(担当:平間)
☆NHK文化センター浜松教室1日講座
一般の方もお聴きいただけます
平成26年11月8日(土)15:00~16:30
タイトル:【龍が教える帝王学~中国古典「易経」】
会 場 :浜松駅東隣アクトプラザ内
053-451-1515 (要予約)
会員 2,700円
一般(入会不要) 2,916円
ネット予約:https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_982851.html
☆【長良川大学・岐阜東洋文化 共催(年4回)】
26年11月15日(土)14時~15時30分
人生に生かす易経・平成26年度 第3講義
タイトル :【風天小畜・天沢履】
(受付・開場は13時30分より)
会 場 : 岐阜市生涯学習センター(JR岐阜駅東・三省堂書店東隣)
会 費 : 1,000円(予約不要)
主催・事務局 : 岐阜東洋文化振興会
平成27年(平成26年度)
2月21日
※年4回、原則第3土曜日です。
☆【盛和塾北大阪自主例会(年4回)】
テーマ【天水訟・地水師】易経講座第7回
開催日:平成26年11月17日(月)(年内最終)
午後6:00~午後9:00(受付は5時半から)
(午後7時30分頃に10分ほどのコーヒーブレイク)
場 所:大阪リバーサイドホテル(JR桜ノ宮駅【西口】より徒歩2分)
TEL:06-6928-3251
※一般の方もオブザーバー参加できます。
(占いの講座ではありません)
ご希望の方は盛和塾北大阪事務局までご連絡ください。
FAX:06-6352-7535
miyajima@taiyo-kaikei.com
↓
オブザーバー会費:2,000円(当日受付でお支払ください)
☆NHK文化センター京都教室1日講座
一般の方もお聴きいただけます
平成27年3月7日(土)15:00~16:30
タイトル:【龍が教える帝王学~中国古典「易経」】
※詳細は後日。
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【致知出版社主催:易経講座】(全5回)
7月22日から始まりました。(第3期目)
『易経』の人間学
~仕事と人生に生かす『易経』のことば~
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本格的な易経セミナー
【リーダーの易経in東京】
超ブレイク塾主催
7月から始まりました!入門編14期・応用編8期(全6回)
※古代人の叡智を経営に生かす内容です。
※超ブレイク塾主催「リーダーの易経」は
東京セミナーで、入門編・応用編ともに少人数制。
経営者・後継者・企業役員・幹部候補者・キャリア対象のセミナーです。
【ポッドキャスト+YouTube】
「笑うビジネスマン」
★デキる経営者が『易経』を学んでいる理由★
http://bit.ly/17vYJAK
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