リーダー不在の陰の時代/患(かん)を思う~帝王学の書~5月22日の易経一日一言

作成日:2012年5月23日

 超訳・易経 カバー25s 

超訳・易経 自分らしく生きるためのヒント』(角川SSC新書)

本体価格861円(税込み) 発売日 2012年5月10日 
 

 

 リーダー不在の陰の時代

 

さて、陰の時代は小人の時代といいましたが、リーダー不在の時代ともいえます。

 

陽の時代は、社会的リーダーは強い先導力をもち、大衆を引っ張っていきます。

しかし、陰の時代に近づいてくると、陽の力が弱くなり、

リーダーと大衆が同レベルになってきて、

リーダーの地位にある人がその役割をまっとうできません。

 

先導力を失って、利害を同じくするものが徒党を組むようになり、

迷走して守るべきものを守れない。

まさに政治不信がつのる時代でもあるわけです。

 

 東日本大震災での国の対応の遅れは国内外から批判されましたが、

 一番の問題は意志決定の遅さだといわれています。

 上に立つ人が意志力、先導力を失うことが、

 易経が教えている陰の時代、つまり小人の時代の特徴でもあります。

 

 一方、大津波の被害に遭った被災地では、

 地元消防団員の人たちが多くの命を救いましたが、

 同時に多くの団員が犠牲になりました。

 

 こうした民間の人たちの君子としての行動が、

 たいへんな苦難の最中、人びとに大きな勇気と希望を与えたのです。

 

    (中略)

 

 閉塞を打ち破る力は、いつの時代も

 必ず社会の下層から出てくると易経は教えています。

 

        『超訳・易経』 第三章より

 

           ☆

 

 ~帝王学の書~5月22日の『易経一日一言』(致知出版社)
☆患(かん)を思う☆
患を思いて予(あらかじ)めこれを防ぐ。

                 (水火既済)
水火既済(すいかきさい)の卦(か)は、
事を既に成した、完成や達成の時を説く。
 
完成は物事の極点である。
満月が欠けるように、完成は必ず欠け、乱れる方向へと向かう。
これから力が衰えていくことを認識せず、
さらなる成長を遂げようとすれば、気がついた時には急激に失速する。
「患」は悩み・憂い・病気などの患難。
ピークを過ぎてもなお持続・保持しようとすれば、
前もっての細かいメンテナンス、対策が必要になる。

 

 

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『易経一日一言』(致知出版社)
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