洞察力を養う~易経一日一言

作成日:2010年8月1日

★7月31日の一日一言~『易経一日一言』(致知出版社)より
☆洞察力を養う☆

洞察とは物事の裏にある本流を見抜くと。
また、外側に現れない人の心、内面の動きを読むことも洞察である。
 
洞察力を説く風地観(ふうちかん)の卦(か)には、
洞察に至る段階が次のように記されている。
 第一「童観(どうかん)す」――幼い子供の目。
    何が起きているかという現象だけを観る。
 第二「窺(うかが)い観る」――人の見解を聞いて物事を窺い知る。
    広く世間を知らず、小さな視野で物事を観る。
 第三「我が生を観る」――主観的に観る。
    自分を省みて、出処進退の行動を判断するが、
    まだ客観視(きゃっかんし)には至らない。
 
 第四「国の光を観る」――物事を客観視できる段階。
    国民のささいな表情やしぐさから、その国のリーダーのあり方、
    国全体の情勢を察する。
    表面にとらわれず物事の質を観る段階である。
 第五「民を観て我が生を観る」――起こっている物事を写し鏡のように観、
    物事全体を正しく導くために何をすべきかを知る。
 
要するに、現象だけを観る、人の話から物事を窺い観る、
自己中心的に物事を観る段階では洞察には及ばない。
深い洞察のためにはまず、全体を広く客観視する
大局観(たいきょくかん)を養わなくてはならないのである。

『易経一日一言』(致知出版社)
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