★7月23日の易経一日一言は4日分、この後にUPします。
小林五月 ピアノリサイタル
シューマン・チクルスVol.6
Robert Schumann Zyklus Vol.6
2010年 2/9(火)pm7:00100209pf
東京文化会館小ホール
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上記のリサイタルに関して
音楽ジャーナリストの門馬義夫氏ブログ評
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シューマンを超えるシューマン?
プログラミングの妙に感嘆!
小林五月ピアノリサイタル(2/9)
昨2/9の小林五月のシューマン・チクルスは、生誕200年に第6回。
いつにもまして会場は完全なまでに静まりかえり、
彼女の腕が鍵盤からはなれ、足先がペダルから離れて
響きが全く消えるまで拍手はひかえられた。↓
http://musicalacarte.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-38f7.html
聴衆がシューマンに飲み込まれたかのようだった。
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☆門馬義夫☆
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小林五月ピアノ リサイタル
シューマン生誕200年記念~魂にふれる心の煌き~
日本最高のシューマン奏者が
この夏(8/28)
碧南(愛知)にやってくる!
「シューマン連続演奏会 第6 回を開催するにあたって」
小林五月
わたしにとって、シューマンを演奏することはある種、自分の心根(こころね)をえぐり、さらけ出すことでもあります。「シューマン生誕200 年」にあたる第6回目には、いよいよ彼のピアノ作品では絶頂期の代表作であり、
クララへの思慕と感情が最高潮に達した「クライスレリアーナ」を取り上げます。
そして前半には夢、憧れ、幻想に真実の世界を追い求めていった「子どもの情景」と「アラベスク」、そして秀作「森の情景」のヒントあるいはキーワードにも感じられる「4つの行進曲」を並べてみました。
わたし自身のオリジナリティーをこの「シューマン・チクルス」によって全身全霊ぶつけてみたいと思っています。
小林五月 Profile
東京生まれ。桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学音楽学部をともに
首席で卒業。ピアノを故富本陶、故井上直幸、柴沼尚子、故エディト・ピヒ
ト=アクセンフェルト、故ジョルジュ・シェベックの各氏に師事。室内楽を
三善晃、林光、末吉保雄、岩崎淑、安田謙一郎、店村眞積、中川良平の各
氏に師事。これまでに国内主要コンクールにて上位入賞を果たす。2001
年、デビューアルバム「シューマン:クライスレリアーナ、フモレスケ」
(RECA-1001)をリリースし “ 正統にして自在―眩いオーラを放つ、ピア
ノ界の大器” と評された。2003 年にはALM RECORDS より「ムソルグ
スキー:展覧会の絵(他にベルク:ソナタ、ドビュッシー:2つのアラベス
クなどの小品を収録)」(ALCD-7073)、さらに「ベート―ヴェン:ソナタ
集~月光、田園、第30 番」(ALCD-7084) をリリースし、ともにレコード芸
術誌の推薦盤となった。2005 年からはシューマンのピアノ独奏曲全曲演
奏会「シューマン・チクルス」を開催し、シューマンの精神に肉迫する大胆
な演奏は音楽界で大きな評判を引き起こしている。同時にCD 収録を並
行して行うという意欲的なプロジェクトに挑んでおり、第一弾となる「ダ
ヴィッド同盟舞曲集~シューマン・ピアノ作品集I」(ALCD-7097)は「レ
コード芸術」誌の推薦盤となった。2006 年5 月にはイタリア、ヴィチェン
ツァにある世界遺産であり世界最古の屋内劇場「テアトロ・オリンピコ」で
リサイタルを開催し大成功を収め、同年8 月リリースの「謝肉祭~シュー
マン・ピアノ作品集II」(ALCD-7105)はクラシック・ジャーナル誌で最
高の三ツ星推薦盤、レコード芸術誌では特選盤となった。NHK-FM「名
曲リサイタル」、NHK-TV「ぴあのピア」等の放送番組にも出演。さらに、
2007 年7月リリースされた「ピアノ・ソナタ第1番/第3番~シューマン・
ピアノ作品集III」(ALCD-7115) はレコード芸術誌で特選盤を獲得、同
誌「レコード・アカデミー賞」器楽部門にノミネートされた。2008 年リリー
スした「幻想小曲集~シューマン・ピアノ作品集IV」(ALCD-7121)、最
新盤CD「シューマン・ピアノ作品集V」(ALCD-7131)も連続して特選
盤となる快挙を達成。また2009 年12 月には大阪シンフォニカー交響楽
団特別演奏会においてシューマンのピアノ協奏曲を共演。いま最も輝いて
いる実力派ピアニスト。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~satsuki-klavier/
ドイツ的な伝統を踏襲しながら四望開豁たる
地平を切り拓く、シューマンの魂に迫るアプローチ
シューマン生誕200年を迎えるメモリアル・イヤーに、小林五月の「シューマン・
チクルス」が6回目を迎える。
これまでも小林は、シューマンの心情を綿密に追い、深い譜読みから映し出さ
れる心象風景を、零れるようなみずみずしいロマンを湛えて精緻に、そして鮮やかに綴ってきた。それはドイツ的な伝統を踏襲しながら四望開豁たる地平を切り拓く、シューマンの魂に迫るアプローチでもあった。
そして今回、道行く中でのひとつの集大成と呼べるような作品たちが選ばれた。その格別な作品たちが内包する複雑な表象や馥郁たるイマジネーション、目眩めく官能と神秘性、そして精神性に至るまで、小林は詩情溢れるファンタジーとして見事に織り上げるに違いない。そしてシューマンの霊感と想像力は、小林の個性をもって抗し難い絶美へと昇華していくのである。
これぞ、小林五月渾身のシューマン!そしてすべてはシューマンが見た夢に溶
けていく。
真嶋雄大(音楽評論家)
★2009 年2 月演奏会評より
(前略) 通じて、シューマン音楽の大きな流れをよく捕えておりテンポの保ち方などとともに陰影と色彩感のコントラストが聴きものだった。「夜想曲集作品23」では4曲の性格を見事に色分けしての音楽表現。細やかで繊細な神経を使いつつの演奏には夜想曲独自のロマンがある。3 番のアルペジョも美しく4 番の音楽構成も印象的だった。後半は「交響的練習曲作品13」。ここでは、確かに管弦楽的な効果を大きく打ち出すことに成功しており、ピアノの域を超えたダイナミックな表現の中にも実に緻密な表情をみせつつ主題以下17 の練習曲と変奏を進めていったのは何とも立派であったし、音楽の多様な変化がうまい相互関係で色づけられ、ペダリングの効果も大きく成果があったように思えた。大きなシューマンの世界を表出し生き生きとした音楽をたっぷりと聴かせたのは全く見事。
●家永 勝 (音楽現代2009 年4 月号)
(前略)彼女のシューマンは、本質的に楽曲の正統的な把握の上に成立している演奏であるが、めったにないイマジネーションの豊かさがあり、それがコントロールされたテクニックやゆるぎない集中力の持続などとも相俟って、独特の強力で輝かしい表出力を生んでいる。彼女のシューマンを「オーラの強い演奏」と評する向きもあるようであるが、それは確かに的を射た喩えであると考えてよいだろう。一方、当夜の3 曲はどれも、彼女が作品をしっかりと自己の手中に収めていることが明らかな熱演であり、そこでは、表現の格調の高さが、一種独特の渋みや豊かな情熱のほとばしりと混然一体となっている様相が浮き彫りにされていた。また、作品の細部に至るまで熟考された彼女のアプローチも、このピアニストの“ シューマン弾き”としての強い自覚を感じさせるものであった。
確かに実力派といえるピアニストであり、今後より一層の活躍を期待したい。
●柴田龍一 (ムジカノーヴァ 2009 年5 月号)
(前略) はじめの「スケルツォ~」を聴いても小林の演奏はあくまでも自然体で、作品そのものに音楽を語らせようとする趣が強い。シューマンのように私的な心の発露としての意味を持つ作品では、演奏者の個性よりもこのような客観性が必要な場合もある。しかもその点で小林はきわめて鋭敏ですぐれたセンスの持ち主といえるだろう。「夜想曲集」もその演奏には常に張りがあり、第4 曲など実に美しかった。一方、「交響的練奏曲」は、5 つの遺作変奏付の改訂版で演奏された。ここでも小林は美しく研ぎ澄まされて芯のしっかりした音でもってスケールの大きさを打ち出そうとしていて、彼女が感じたあるがままの音楽が披瀝されていた。(後略)
●野崎正俊 (ショパン 2009 年5 月号)
★小林五月CD「交響的練習曲~シューマン ピアノ作品V」
(前略) ゆったりとした足どりで弾き出される主題以下、各変奏を連ねていく呼吸、それぞれの彫琢と情感注入の見事さが、いつしか聴き手をこよない世界へと運び込んでしまう。細部にわたる精度の高さ、それにも増して刻々と伝えられる感動の真摯さ、深さによって、この盤は古今の名演に少しも劣らない。
●濱田滋郎( レコード芸術2009 年5月号/ 推薦・レコ芸特選盤)
(前略)興味深いのは《交響的練習曲》で、小林五月のシューマン・シリーズ中最も個性的な演奏である。(中略)たとえば遺作4は、これまで聴いたことがないほど地平線の広がりを感じさせて感動的だ。いずれにせよ、この鮮やかなピアニズムと堂々とした風格と個性の際立ちは特筆に値する。
●那須田 務(レコード芸術2009 年5 月号/ 推薦・レコ芸特選盤)
(前略)「間奏曲」では明瞭な打鍵が際立っており、高まる感情を十分に描きながら、絶妙なバランスで透明性をキープしている。「交響的練習曲」も同様で、さらには全体の流れを考慮しつつ、第3変奏曲(第4 練習曲)の踏みしめるような独特なテンポに現れているように、1曲1曲をじっくりと愛でているのが特徴だ。オイゼビウス的な曲も脆弱にならず、遺作第5 変奏に典型的なように、たっぷりの余韻の中にきらきらと輝く音色を舞わせ、夢のような世界を作り出している。没入しつつも知的な設計を失わない名演で、シリーズ中でも特に優れた出来。
●松本 學(CD ジャーナル2009 年4 月号/ 今月の注目盤)
レコード芸術6月号「現代名盤鑑定団」(2010年)
『深く大胆なる同化。小林五月のシューマン』
として、大きく取り上げられました。