未熟さを知る~易経一日一言

作成日:2009年12月31日

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★12月30日の一日一言~『易経一日一言』(致知出版社)より
☆未熟さを知る
未済は、亨る。小狐ほとんど済らんとして、その尾を濡らす。
利ろしきところなし。
                 (火水未済)

火水未済(かすいびせい)の「未済(びせい)」とは、
未だ川を渡り終えていないということ。
つまり未だ何も成していない、未完成、未熟な時を説く。
 
そんな未熟さを小狐が川を渡ることに喩えている。
狐はふさふさとした大きい尾を持っているが、
水を含むとずっしりと重くなって泳ぐには負担がかかる。
 
成長した狐は尾を高く上げて川を渡る知恵があるが、
小狐は岸までもう少しという所で尾を濡らし、渡り切れない。
 
未熟者は蛮勇をふるって事に臨むが、
九分通りまで行ったところであと一歩が成せない。
 
小狐が失敗するのは、
知恵や技術の以前に自分の未熟さを
認識できないからである。
「未済は亨る」とは、未完成が完成に至ること。
これではだめだと未熟さが身に染みた時から、
完成への道が開けるのである。
 
どんなに人生の経験を積んでも、
自分の未熟さに気づくことは新たな希望でもある。



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