易経には何が書いてあるのか1.B~手にとるようにわかる面白い易経

作成日:2009年2月23日

「手にとるようにわかる面白い易経」
            
【亞】の玉手箱時代の復刻版です。
★“易占い”の解説ではありません★
【中国古典・易経】
1.易経には何が書いてあるのか
※昨日の続きです。
「易経には何が書かれているのですか?」
と聞かれたなら
私はまずニュアンスをつかんでもらうために
「春の次には夏が来て、夏の次には秋が来て、
 次に冬が来て、また春が来ると書いてありますよ」
と答えています。
ひと言でいうならば
時の変化の道理です。
易経の思想は陰陽説を根本として、
すべての事象は
春夏秋冬、日月のめぐりのような
自然の摂理(せつり)にしたがって、
変化するとしています。
これを基に、歴史、政治、経済、
会社組織、個人の人生に至るまで
あらゆる事象に通ずる栄枯盛衰の
変化の道理を説いています。
誕生、芽生えの春・成長の夏・
成熟と実りの秋・朽ちて蔵される滋養の冬。
一つの時代の発展と衰退、
また人ひとりの人生を
この自然の摂理にあてて考えるならば
原則的な論理がみえてきます。
易経は人間社会のあらゆる事象を例にあげ
自然の摂理から導きだされる論理を
手を替え品を替え繰り返し語っています。
では、具体的には何が書かれているかというと
易経は 「時」を説く書物 です。
自然界に春という時があるように
人間にも壮んな時、成熟の時があり
また天下泰平の時もあれば、
暗く閉塞した時もあります。
易経にはそのような、
私たちが人生で遭遇するであろう
六十四種類の「ある時」の
シチュエーションが展開され
その変化過程が書かれています。
学んでいくうちに、
自然に論理的な思考が養われていきます。
それはやがて、
ものごとの全体の成り行きである大局を見通し
時の本質を見抜く洞察力となり、
さらにわずかな兆しで
先行きを察する直観力に発展します。
これが
「占わずして吉凶を知る」、
「善く易を為むる者は占わず」
と語られている所以(ゆえん)です。
易経に書かれていること
そして学ぶ効用を手短かに述べましたが
洞察力、直観力を身につけるということは
実際には非常に難しいことです。
しかし、それを「易しい」ものにしようと
研究されてきた書物が易経なのです。
易経は「君子」のための書物ともいわれ
帝王学としても学ばれてきました。
一国一城のリーダーには、 時の本流を洞察する力
そして 兆しを察する直観力が
不可欠とされてきたからです。
このことは、現代社会でも変わりないと思います。
「君子」というといかにも高尚なイメージですが
帝王学だけに限った学問ではありません。
(※対する「小人」とは、
  普通の人、一般人、つまり私たちのことです)
ものごとを捉え、将来を察する能力は
組織の大小や社会的地位を問わず
何らかの責任を担う人すべてに、
必要とされるものです。
担う責任が大きくなればなるほど
より高い能力が求められるということなのです。
       続く
     
 ~編集後記~
 易経は中国最古の書で、四書五経のトップであり、
 帝王学の書とされています。
 時の専門書であり、自分のおかれている立場など、
 出処進退に関する行動の指針となるべき法則やルールが
 シンプルに著されています。
 易経には、幾(き)という言葉が頻繁に出てきます。
 幾とは物事が起こる時の兆(きざ)しです。
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