「単細胞的思考」上野 霄里 から
平和も自由も
何もかも
その本格的な出発は
一個人の心の中の
神話にも似た
美しいドラマからはじまる
人間が
自分自身と対決する時
何事か本格的なことが起るのだ
☆
行く先がわからずに
トラックに家財道具一切を積んで
あっちの方に行ってくれと
運転手に頼める勇気のある人間は
老若男女の中に今日
何人ぐらいいるというのか
トラックが走っている間に
何とか考えようという
自信に満ちた余裕のある精神が
どれくらいみられるというのか
☆
現代を代弁するものは
大多数の現代人ではない
非社会的とか
反社会的といった立場に置かれると
人間の目は公平になり
冴えてくるものだ
「単細胞的思考」上野 霄里