6.爻の見方

中と正

(図4)陰陽の爻の位置には、中と正があります。

中は、上下八卦のそれぞれ真ん中の二爻と五爻をいいます。

初爻から上爻までを数字で数え、初、三、五爻の奇数で陽、二、四、上爻は偶数で陰としています。奇数の位に陽の爻があれば、正、陰の爻であったら、不正といいます。(図4)一般にその時の立場にあった出処進退ができているかどうか、などの判断基準になります。 多くは正は吉、不正は凶になります。中庸を重んじる易では、中にあたる二爻と五爻が正である場合は、ほとんどが吉と記されます。

火水未済と水火既済の卦を例にあげました。火水未済はすべての爻が不正です。逆に水火既済はすべてが正です。ここから、火水未済はまだ何もなっていない未完成の時をあらわし、水火既済は完成の時をあらわす卦です。

応と比

(図5)爻は応じあう、親しむ関係をもしめしています。人間関係などを判断するときに応と比をみます。応は、初爻と四爻、二爻と五爻、三爻と上爻が持っている相応関係で、本来の相手をあらわします。この対応が一方が陰、一方が陽ならば、「正応」で助け応じあい、陽と陽、陰と陰では応じない「不応(敵応)」の関係になります。(図5) 比は、隣り合わせの爻の関係をいいます。陰と陽であれば、親しく助け合う関係であり、比するといいます。 応は夫婦、師弟、上司と部下など本来応じあうべき関係です。比は親友、兄弟姉妹、同僚、同士という関係です。 比よりも重要なのは正応の相手であり、結ぶべきは、比の関係よりも正応の関係です。