9.占筮の心得

易占いをする前に次のような心得が大切です。

占う事柄は出来るだけ具体的に絞ること。
占筮は、問題を充分に考え、客観的な条件も考慮に入れて自分なりに検討します。 「私の人生はどうですか」と占ったとしても、何も出ません。占う事柄を具体的に細かく、的を絞ります。絞れば絞るほど当たりやすいです。何を占うのかを突き詰めて考えて、占う事柄の的(占的)を絞ることです。何が問題なのかを冷静によく考えて頭を整理することです。そうすると占機、占うチャンスがやってきます。問題が煮詰まった時、機が熟した時、本当に答えが切実に必要な時は具体的に答えがでます。占果を得るために必ず必要なことです。
同じことを2度占ってはならない。
「初筮は告ぐ、再三すれば涜る。涜るれば告げず。」という言葉が山水蒙の卦にあります。 答えが気に入らないからといって再筮してはならない。再筮するのはなにがいけないかといったら、精神が汚れます。事実を知りたいという気持ちではなくて、自分に都合のいい答えを知りたい。そのためだったら自分さえも騙すという気持がいけないというのです。
不正なことを占ってはならない。
まず、おもしろ半分に不純な気持で占ってはいけません。悪事について、他人に危害を及ぼすようなこと、私欲に関することは占わない。道理として、すべきことは占うことではありません。たとえば今、育児が大変だから、放棄してもいいかどうか、邪魔者に危害を加えてもいいかどうか、などということです。また、死に関しては占わない。自分や他人の死に関しても占いません。

「五不看」はこんな時は精神集中ができないので、占ってはいけないという五箇条です。

一. 酒を飲んだり、酔ったりしている時に占ってはならない。
酒を飲んで占った場合は、まず当たりません。集中度が少ないからです。
二. 房事の後に占ってはならない。
ぼわんとしているからです。
三. 喧嘩した後に占ってはならない。
かっかとしているから、集中どころではありません。
四. 人込みの中で占ってはならない。だが、熟練者の場合だと、それでも精神集中できる者がいる。精神集中できれば可。
静かになって、気持を落ち着けてできる環境づくりが大切です。ただし、プロの占い師は人ごみの中で集中できるように訓練しています。
五. 苦悶、煩悶を抱いている時に占ってはならない。
パニックになっている状況や苦悶のある時は集中できません。苦悶のある時は一番占いたい時ですが、だいたい集中力がありません。