兌下兌上 兌為沢(だいたく)
兌。亨利貞。
彖曰、兌、説也。剛中而柔外、説以利貞、是以順乎天而應乎人説以先民、民忘其勞。説以犯難民忘其死。説之大、民勸矣哉
象曰、麗澤、兌。君子以朋友講習
兌(だ)は、亨(とお)る。貞(ただ)しきに利(よ)ろし。
彖(たん)に曰く、兌(だ)は説(えつ)なり。剛(ごう)中にして柔(じゅう)外なり。説(よろこ)びてもって貞(てい)なるに利(よ)ろし。ここをもって天に順(したが)い人に応ずるなり。説(よろこ)びてもって民に先立つときは、民その労を忘れ、説びをもって難を犯すときは、民その死を忘る。説(えつ)の大いなる、民勧(すす)むかな。
象に曰く、麗沢(りたく)は兌(だ)なり。君子もって朋友(ほうゆう)講習す。
初九、和兌。吉。
象曰、和兌之吉、行未疑也
九二、孚兌吉悔亡。
象曰、孚兌之吉、信志也
六三、來兌凶。
象曰、來兌之凶、位不當也
九四、商兌未寧。介疾有喜。
象曰、九四之喜有慶也
九五孚于剥(厂/萬有。
象曰、孚于剥位正當也
上六、引兌。
象曰、上六引兌未光也
初九(しょきゅう)。和(わ)して兌(よろこ)ぶ。吉(きつ)なり。
象に曰く、和(わ)して兌(よろこ)ぶの吉(きつ)とは、行いていまだ疑われざるなり。
九二(きゅうじ)。孚(まこと)ありて兌(よろこ)ぶ。吉(きつ)にして悔(くい)亡ぶ。
象に曰く、孚(まこと)ありて兌(よろこ)ぶの吉(きつ)とは、志を信(まこと)にすればなり。
六三(りくさん)。来(きた)たりて兌(よろこ)ぶ。凶なり。
象に曰く、来(きた)たりて兌(よろこ)ぶの凶とは、位(くらい)当たらざればなり。
九四(きゅうし)。商(はか)りて兌(よろこ)ぶ。いまだ寧(やす)からざるも、介(かた)く疾(にく)めば喜びあり。
象に曰く、九四(きゅうし)の喜びとは、慶びあるなり。
九五(きゅうご)。剥(はく)に孚(まこと)あり。(厂/萬(あやう)きことあり。
象に曰く、剥(はく)に孚(まこと)ありとは、位(くらい)正(まさ)に当たればなり。
上六(じょうりく)。引きて兌(よろこ)ぶ。
象に曰く、上六(じょうりく)の引きて兌(よろこ)ぶとは、いまだ光(おお)いならざるなり。