離下巽上 風火家人(ふうかかじん)
家人、利女貞。
彖曰、家人、女正位乎内、男正位乎外。男女正天地之大義也。家人有嚴君焉、父母之謂也。父父、子子、兄兄弟弟、夫夫、婦婦而家道正。正家而天下定矣
象曰、風自火出家人君子以言有物而行有恒
家人(かじん)は、女(じょ)の貞に利(よ)ろし。
彖(たん)に曰く、家人(かじん)は女(じょ)、位(くらい)を内(うち)に正しくし、男、位を外(そと)に正しくす。男女正しきは天地の大義なり。家人 (かじん)に厳君(げんくん)ありとは、父母の謂(い)いなり。父は父たり、子は子たり、兄は兄たり、弟は弟たり、夫(おっと)は夫たり、婦(つま)は婦たり、しかして家道(かどう)正し。家を正しくして天下定まる。
象に曰く、風の火より出(い)づるは家人(かじん)なり。君子もって言(げん)には物あり、行いには恒(つね)あり。
初九、閑有家、悔亡。
象曰、閑有家、志未變也
六二、无攸遂。在中饋。貞吉。
象曰、六二之吉、順以巽也。
九三、家人(口|高)(口|高)。悔(厂/萬)吉。婦子(口|喜)(口|喜)。終吝。
象曰、家人(口|高)(口|高)、未失也。婦子(口|喜)(口|喜)、失家節也。
六四、富家、大吉。
象曰、富家、大吉、順在位也
九五、王假有家、勿恤吉。
象曰、王假有家、交相愛也
上九、有孚威如。終吉。
象曰、威如之吉、反身之謂也。
初九(しょきゅう)。有家(ゆうか)を閑(ふせ)ぐ。悔(くい)亡ぶ。
象に曰く、有家(ゆうか)を閑(ふせ)ぐとは、志いまだ変(へん)ぜざるなり。
六二(りくじ)。遂(と)ぐるところなし。中饋(ちゅうき)に在り。貞(てい)なれば吉(きつ)なり。
象に曰く、六二(りくじ)の吉(きつ)は順(じゅん)もって巽(そん)なればなり。
九三(きゅうさん)。家人(かじん)(口|喜(口|喜(かくかく)たり。(厂/萬(あやう)しきを悔ゆれば吉(きつ)なり。婦子(口|喜(口|喜(かくかく)たればついに吝なり。
象に曰く、家人(かじん)(口|喜(口|喜(かくかく)たりとはいまだ失わざるなり。婦子(口|喜(口|喜(かくかく)たりとは、家節(かせつ)を失うなり。
六四(りくし)。家を富(と)ます。大(だい)吉(きつ)なり。
象に曰く、家を富(と)ます、大(だい)吉(きつ)なりとは、順(じゅん)にして位(くらい)に在ればなり。
九五(きゅうご)。王有家(ゆうか)に仮(いた)る。恤(うれ)うることなかれ、吉(きつ)なり。
象に曰く、王有家(ゆうか)に仮(いた)るはこもごも相愛するなり。
上九(じょうきゅう)。孚(まこと)ありて、威如(いじょ)たれば、ついには吉(きつ)なり。
象に曰く、威如(いじょ)たるの吉(きつ)とは、身に反(かえ)るの謂(い)いなり。