乾下離上 火天大有(かてんたいゆう)
大有、元亨。 彖曰、大有、柔得尊位、大中而上下應之、曰大有。其徳剛健而文明、應乎天而時行。是以元亨。
象曰、火在天上大有。君子以遏惡揚善、順天休命。
大有は、元いに亨る。
彖に曰く、大有は柔尊位を得、大中にして上下こうれに応ずるを、大有と曰う。その徳剛健にして文明、天に応じて時に行う。ここをもって元いに亨るなり。
象に曰く、火の天上に在るは大有なり。君子もって悪を遏め善を揚げて、天の休いなる命に順う。
初九。无交害。匪咎。艱則无咎。
象曰、大有初九、无交害也。
九二。大車以載。有攸往无咎。
象曰、大車以載、積中不敗也。
九三。公用亨于天子。小人弗克。
象曰、公用亨于天子。小人害也。
九四。匪其彭。无咎。
象曰、匪其彭、无咎、明辯晢也。
六五。厥孚、交如。威如、吉。
象曰、厥孚交如、信以發志也。威如之吉、易而无備也。
上九。自天祐之。吉无不利。
象曰、大有上吉。自天祐也。
初九。害に交わることなし。咎にあらず。艱むときは咎なし。
象に曰く、大有の初九は害に交わることなきなり。
九二。大車もって載す。往くところあるも咎なし。
象に曰く、大車もって載すとは、中に積みて敗れざるなり。
九三。公もって天子に亨せらる。小人は克わず。
象に曰く、公もって天子に亨せらる。小人は害あるなり。
九四。その彭なるにあらず。咎なし。
象に曰く、その彭なるにあらず、咎なしとは、明弁にして晢かなればなり。
その孚、交如たり。威如たれば、吉なり。
象に曰く、その孚、交如たりとは、信もっと志を発するなり。威如の吉なるは、易りて備うるなければなり。
上九。天よりこれを祐く。吉にして利ろしからざるなし。
象に曰く、大有の上の吉なるは、天より祐くるなり。